盛夏

学校が夏休みになった先日、小学生の親子が箸作り体験に参加しました。オノオレカンバの五角箸を磨き、模様をつけ、オイルで仕上げます。熱心に作業をし、親子二組の箸を完成しました。この箸で、いのち渦巻く食べ物をいただき、元気に夏休みを過ごしてもらいたいと思います。

里山の風景の中に、オニヤンマが飛び、ヒグラシが鳴き、鬼百合が咲き、クズの花が乱れ落ち、虻がまといつき、草々は勢い繁茂しています。すさまじいと表現できるほど、いのちの気に満ちている盛夏の中に、私は今いるのです。でも、それは昼間のことで、夏の気は、夜には落ち着いて涼しいのが北国です。そんな北国の夏に体が馴染んできました。

ここにきて稲の出穂があり、田の草取りが終了しました。思えば6、7月の2か月のほぼ毎日田に入り、草取りをしました。草取りをしながら日々、稲の生長を見てきました。草に負けないように手助けをすれば、稲は無肥料でもすくすく育ち、穂が出ます。稲は、太陽と月と地球のエネルギーを受けて大きくなります。稲のおおもとの肥料は、太陽と水と土なのだ、と合点します。植物も動物も、おそらくいのちあるものはみな、そうなのでしょう。

山の畑では、ナストマトキュウリなどの夏野菜が大きくなり、実りだしました。ソバの種まきもしました。田の草取りが一段落し、山の畑や庭の整理に力を注ぐことができるようになりました。いのちを育て、いのちをいただく農の営みは、今その佳境を迎えつつあります。

九月十七日(日)午後1時から、北上市谷地鬼剣舞の踊り組が来て、今年も鬼剣舞を踊ります。入場無料です。お問い合わせはこちらです。

メール:jomon.uzumakisha@gmail.com

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ヤマドリ

先日の月の寺子屋は、月暦のしくみ、二十四節気、閏月、新月、満月、晦日、三日月、二十三夜講、月待ちなどのお話をしました。保育園や幼稚園の子を持つ若いお母さんたちが、熱心に耳を傾けてくれました。月のリズムに同期して暮らす、宇宙のいのちのリズムを体に入れて暮らすことができたら、と思います。

さて、田植えをしてから2か月近くになります。連日暑いさなか、ぬる水に浸かり、ホタルイやシズイやオモダカやコナギの草取りをしていますと、今年もヤマドリが畔に姿を現し、あいさつに来てくれました。柿本人麻呂の「あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む」のあの山鳥ですが、田んぼに現れたのは、去年あいさつを交わした美しい羽をもつ雄のヤマドリです。

ヤマドリは草や虫をつつく動作をしながら、ほんの1~2メートルの距離まで近づいてきました。お互い横目で見やりながら、「よかったよかった」と無事に再会できたことを喜びます。来年は会えるとも限りません。ヤマドリは猟の対象ですし、私もあてのない身なのです。

中干しが終わりたっぷりと水を入れました。赤トンボや糸トンボの羽化が始まりました。あそこにもここにも100匹以上のトンボが、田んぼから羽化しています。毎年、この光景に出合えるのが何よりうれしいのです。トンボたちの育ての親の一人となることができたのです。心はずむひと時に、草取りの苦労が相殺され、苗消毒や除草剤なしでよかったと、自ら心に納めます。暑くて仕事はきついですが、一期一会の幾つものいのちと交差する、真夏の田んぼ。朝に田を迎え、夕暮れに田に送られる日々の繰り返し。その繰り返しの中で稲はもう立派な青年にまで成長しました。穂が出るのももうじきです。

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