小正月のお祝い

宇宙は渦を巻きながら今も、ある方向に進んでいます。その宇宙リズムである時間は、直線で進む時間と繰り返す時間があります。時間は、くり返しながら前に進んでいて、それをだれも押しとどめることはできません。人も動植物も、宇宙のとてつもない時空の中で、その片隅のさらに片隅に誕生し、ほんのひと時のいのちを与えられ、成熟し、そして枯れてゆきます。そういう意味で、人も動植物も大金持ちだろうが貧乏だろうが、時間は平等です。

産業革命以後、直線に進む時間ばかりが重視され、繰り返す時間は脇に追いやられてしまいましたが、賢治の言う「すきとおったほんとうのたべもの」の学問や文化や芸術は、繰り返しの時間の中から生まれてくるような気がします。繰り返しの時間が、知性や感性の深みを引き連れてくれます。直線的で表層的な知性の一部は、やがて反転して反知性になり、貧困と格差を生み出してきた気がします。戦争がそうであるように、貧困と格差も反知性の吐瀉物なのです。

いまだ雪は降り寒くもありますが、雪交じりの雨が降るようになってきて、今年も小正月(旧暦の一月十五日)がやって来ました。眠っていたいのちの春が、雪解け水で目を覚ましました。地域のみなさんと一緒にお雑煮を食べ、カルタやどっぴきや輪投げ遊びをし、お酒も飲んで、小正月を祝い楽しみました。

過疎や老齢化の波がひたひたと寄せてはいますが、「楽しかった。来年もまたやりましょう」「来年もできたらいいね」などとみなさんが声をかけながら、それぞれの家に笑顔を運ぶために帰ってゆきます。土間にあったたくさんの長靴はあるじを得て、一つまた一つ雪道に消えていきました。

先日シュレーゲルアオガエルの鳴き声が、海上川のほうから聞こえてきました。如月(きさらぎ)、春の気がさらにやってきます。北国の春様、お待ち申しておりました。

            IMG_2698.JPG
           
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
2017サイトギ七崎神社 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。