八食センター炭火焼き

 港町の朝市は、なかなかいいものです。今はお金で売り買いしますが、海のものと山のものを物々交換し合った昔の雰囲気があってつい、足を延ばして寄り道したくなります。
 千葉の勝浦や輪島の朝市は、おばあさんおじいさんが元気で、マニュアルどおりのあいさつも店員のうるさい呼び込みもなく、二言三言の会話で暖かい気持ちになれます。松の小道や味わいのある町並みをぶらりと歩きながら、潮風に吹かれてお店を眺め、どことなくのんびりとできて、いまだ残っている日本の良さを発見し旅をしている気分に浸ることができます。

 北東北にも市の立つ日がたくさんあって、家主はまだ行ったことはないのですが楽しみにしています。
 たとえば、久慈市は3、8のつく日の月6回、盛岡の材木町は毎週土曜日、軽米町は2のつく日、奥入瀬町は3のつく日、一戸町は1のつく日、田子町は10のつく日、五戸町は毎月7日です。八戸市は「はちのへ市日サミット」を結成して、市日を復活して町の賑わいを取り戻すべく、3、6、8、13、16、18、26、28の日に三日町、六日町、十三日町、十八日町のいずれかで市が立ちます。嬉しい限りです。
 これから、一つ一つ訪ねて、潮の香りや山あいの空気やその町の持っている固有の「にほひ」をかいできたいと思っています。そして、売られているものから、町の人々の生活の体温を感じ取れたらいいな、と思っています。

 先日、夜明けと共に始まり200店舗の屋台が出店したという3月27日、28日の八戸みなと朝市まつりの数日後、八戸市にある八食(はっしょく)センターに行ってきました。
 地元の人向けというより観光客向けという人もいますが、それでも家主は、風格を持った大きなサバや、ミズタコのたくましいもも足や、茶の紳士服を着てトロ箱に整列しているイカや、名前のきいたことのない地魚や貝を見ているだけでいい気分になれるので、時々出かけてゆきます。
 この日も平日だというのに混んでいました。お昼をセンター内の七厘村でいただこうと思ったのですが、1時間待ちだそうで、ちょっと、サバやイカやアブラメなどの地魚の寿司を小腹に入れてそのあと、予約の時間が来たので七厘村へ入り、魚介を炭火で焼いていただきました。午後2時近くなのに満席で盛況でした。
 七厘村では、炭代は大人200円で、センター内で買った魚や貝などをその場で自分で焼いて食べられます。いつものことながら、安いのでたくさん買ってしまい、食べきれないほどです。ほどほどを身につけたいと思いつつ、つい食べ過ぎてしまう癖が直らなくて困ったものです。

 ほんとうに魚貝の種類の豊富なこと、海に感謝です。海の清浄を守りそのためにも山の森を守り、山や海に人は生かされていることに感謝しつつ、辺見庸の「もの食う人びと」のバングラデシュやソマリアの同時代に生きているのにこの天と地との格差をちらっと思いやりながら、また、三内丸山の縄文人と同じ海の幸の恩恵にあずかっているのだなと、歴史の隔たりと時のつながりに思いを巡らせながらも、たらふく食べて幸せの気分で八食センターをあとにしました。

 市場は安いし、それに東京の居酒屋では、既に調理済みの食材をあたためるだけで、量も少ないし高い、八戸の居酒屋は、魚は新鮮で出される料理の一つ一つの量が多いと、東京に下宿している息子は八戸が気に入ったようです。
 これからもずっと、北東北は海や山が豊かでそこにある八戸は、食べ物も「おいしい町」であってほしいと思います。
          
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