杏仁子(あんにんご)

  ワックスで化粧をしてきれいにした西の広縁から外を眺めると、赤い実が目を引きます。つやのあるかわいらしい赤い実がたくさんついています。遠くからみると、食べ残しのぶどうの房に赤い実がついている感じです。近づくと、赤い実の中に黄色や黒い実もまざっているのが見えます。春にブラシのような白い花が房状に咲いたときに、もしかしたらウワズミ桜かなと見当をつけていたのですが、実が付いて、やはりウワズミ桜だったとわかってうれしくなりました。

 ウワズミ桜を知ったのは、若いころ職場で旅行に行ったときの群馬県でしたか、昼食のお店のお膳でした。小皿に青い山椒の実のような、かわいらしい実がありました。食べてみると、舌先に山椒のしびれはなく不思議な味でした。今まで味わったことのない味です。子どものころ梅干しの種の中を割って食べたあの味がします。
 新しい食べ物にすぐに興味を持つ家主です。調べてみることにしました。それはあんにんご(杏仁子)でした。ウワズミ桜の若い実の塩漬けだそうです。初めての出会いは、食べ物からでした。

 それからはウワズミ桜の木を意識して見つけました。花が桜の花とは全くちがっていて、桜というとピンクの五弁の花びらを持つ木を思い浮かべますが、まるで桜にほど遠い形をしています。これも桜か、珍しい桜だなと思っていましたが、よくよく見ると、房状の花は小さいけれど一つひとつはやはり五弁の花びらを持っていました。
 野山を歩く時、気をつけてみると、時々見かけます。桜の幹で白い房状の花が咲けば、ウワズミ桜だ、とわりと簡単に見つけることができます。イヌ桜とちがって、実の下側にも葉がついています。
 材は占いに使っていたようです(上溝桜)。堅いので農具の柄に使われたり、皮は樺細工にも使われていたり、昔はわりと身近な木だったようです。

 今年は、青い実を取る時期は逸したので、赤い実をいただくことにしました。口に含むとほのかなバラの香水のような味がします。やはりバラ科なんだと納得します。木の上の方の実は鳥たちのために残しました。分かち合いです。三分の一ほどを譲り受け、35度のホワイトリカーでつけることにしました。秋にはどんな香りと味のお酒になるのか楽しみにしています。庭にある木の実や薬草でリキュールを作る、楽しみの一つです。いろいろ試してみたいと思います。

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