生き物家族

 今年の夏の暑いこと、日本全国猛暑です。それにしても老人の白骨死、子どもの虐待育児放棄、このごろの日本はどうしたことでしょう。女性長寿世界1位、男性5位が泣いてしまいます。長寿の中身を問わない限り、統計や順位をつけることに意味がない有様です。農業国から工業国へ、そして資本の力は大家族から核家族へ、やがて家族をも崩壊させ、孤独の淵に人を追いやる態を見せつけている昨今です。一番弱い子どもや老人に矛盾の矛先が向けられているのでしょう。外国人から見て、礼儀正しくて清潔で働き者で優しいかつての日本人はどこへ行ってしまったのでしょう。
 暑くてつい嘆きが出てしまいました。嘆きはこのくらいにして、そう競争の世界から抜け出て、共創の世界を築く時が来ているのでしょう。人間の醜さが表れる世界ではなく、人間の美しさが表れる世界の到来を待ち望んでいます。

 さて、北東北もこの夏は暑いです。連日30度を越えています。そして雨が多いのです。晴れていても夕方、雷を伴って雨が激しく降ります。一時ですが、亜熱帯のスコールのようです。北東北はいつも夏はこうなのかなと思っていたら、今年は特別によく降るということでした。

 夏は、虫たちの活躍の季節です。家主の庭にもいろいろな虫がいます。モンシロチョウ、タテハチョウ、シジミチョウ、ジャノメチョウ、オニヤンマ、赤とんぼ、イトトンボ、オツネントンボ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、カマキリ、コオロギ、名前のわからぬ蜘蛛多数、毛虫多数、害虫と名付けられて人間に嫌われているアブ、スズメバチ、アシナガバチ、カメムシ等々ざっと頭に浮かぶものをあげてもこの通りたくさんいます。これから、順次図鑑で調べたりしてわが庭の住人や遊び人たちも紹介したいと思います。
 害虫も家主に危害を加えない限り殺したりはしません。だって,人間にとって害虫でも自然の生態系の一員であり、今を一生懸命生きているのですから。家の中は家主の領分、外は家主と虫たちの領分でもあります。むしろ、家主の方が新参者です。よろしくのあいさつは家主が先です。

 ある夜、ラジオ深夜便を聞いていたら映画「タイマグラばあちゃん」「大きな家」の監督の澄川嘉彦さんの話が印象的でした。
 電気のない村に電気が点く、それで工事をしていたら大きな辛夷が電線に引っかかるので、木を伐ってほしいと、電力会社がじいちゃんに言うと、じいちゃんは「辛夷の木を伐るぐらいなら、電気には帰ってもらいましょう」といった話でした。じいちゃんにとって辛夷の木も人間も同等の仲間、生き物同士なんだと、澄川さんがお話ししてくれました。
 もう一つ、野ねずみが冬になると暖かさを求めて家の中に入ってくる。それを澄川さんの子ども達が、よく来たね、また、遊びにおいでねと言って森に返してあげる。そして子どもが言う、「人も動物もみんな、大きな家に住んでいるんだね。」そんなお話でした。
 人も動物も植物もタイマグラの森という大きな家に住んでいる一家族なのだということを澄川さんが説明してくれました。

 我が家の庭も「人間様」だけが快適に暮らすのではなく、せっかく自然の豊かな地にいるのですから、できる限り動物も植物も一緒に仲良く暮らせたらなあと思っています。特定の一つが我が物顔で威張るのではなく、それぞれの生き物がそれなりに慎ましく生きていける「生き物家族」の庭をめざして、時には強い意志と時には優しい心で日々の生活を営んでゆきたいと思っています。写真は我が家の土間に紛れ込んだクジャク蝶、アオイトトンボ。木の外壁でじっとしているアゲハの幼虫。そろそろさなぎになりそうです。大きなことを興す前は、じっと動かないものなんですね。虫たちに見習いたいものです。

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