開社準備1

雪があるときは手も足も出せないのですが、庭の雪がすっかり解けたので、オープンに向けて、少しずつ動き始めました。

まず手始めに、以前から気になっていたもので、見て見ぬふりをしていたものがあります。気になっているから、さぞいいものかと思われるでしょうが、そうではありません。川のあれです。引っ張ってごめんなさい。あれとは、ゴミのことです。

みなさんは北東北の川はきれいで、澄んだ水がサラサラよどみなく流れて魚やカジカが棲む清流を想像するでしょうが、あにはからんや、田舎も今の文明の垢にとっぷり浸かっているのです。清流はちょっとした田舎にはありません。近所のTさんが子どもだったころ、たくさんいたカジカもモズクガニもヤツメウナギも消えてしまいました。かなりの山奥に行かないと清流にはお目にかかれません。それも危ないものです。山は、残土や産廃の捨て場になっていることもありますから。

この辺でも、産廃の不法投棄が問題になり、1,4-ジオキサン という毒性があり発癌性が疑われている物質が県境の山の捨て場に漏れ出ていたそうです。

原発も産廃も構造は同じで、都会で大量に使う電気や都会で出た危ないゴミの後始末は、田舎が結果的には請け負うと、相場が決まっていて、このシステム上での経済発展とやらには、もう先がない気がします。

まあ、それはともかく、縄文のうずまき社に通じる道に小さな川があり、小さな橋が架かっています。その橋から眺める川のほとりの桂の木は、威風堂々としてなかなかの大いなる眺めなのですが、いかんせん岸辺のゴミが気になります。せっかくの眺めも、ゴミの跳梁跋扈で台無しです。要するにゴミだらけ。

橋下から桂の木までの距離にしておよそ10メートルほどの川岸にわだかまっているゴミ。どこかで捨てられ、あるいは放置されたゴミが、風に飛ばされあえなく川に落ち、勢い流され、そしてたまたまとどまったところが縄文のうずまき社の桂の木の近くだったわけです。ゴミを回収し、早くきれいにしたいな、と前々から思っていたのですが、手つかずのままでした。

あらゆるビニールの類が岸に打ち寄せられ、枝に引っ掛かり、川砂に埋まり、ぼろぼろにちぎれ、どうにも厄介な状態になっていました。

雪が解けた春は特にゴミが目立つのです。でも、目立つということは清掃の好機でもあります。まだ枝葉が茂っていないので、ゴミが見つけやすいので掃除がしやすい、極端に暑くも寒くもなく時期もいいし、それに、まだマムシをはじめ蛇が活動していません。そこで、ひと踏ん張りしたということです。

もう何年も、川砂に埋もれている肥料袋、みなさん想像がつくでしょうか。袋丸ごとすっぽりと取れればいいのですが、それなら片づけるのもわけないのです。ところが、ずっと埋もれていたので、劣化がひどく、袋というより、ぼろぼろ状態で、ちょっとでも力を入れて引っ張れば、粉々に砕けて手におえない状態になります。

砕け散ったら後始末が大変、力を入れずに腫れ物に触るようにそっと扱います。ボロボロになったのは、一つ一つつまんで、根気がいて時間がかかる作業だけれど、きれいは気持ちがいいものですから、ウコギのとげのある枝に引っかかったビニール袋は剪定をしながら、大きいゴミは拾い小さいゴミはつまんで、やっと回収を終えました。たった10メートルで3時間、大袋3袋。

川全部でいったいどのくらいの量の肥料袋をはじめとするゴミが流されとどまっているのか、考えるだけでも恐ろしいことです。

風はまだ冷たいけれど、日差しに誘われて、桂の木のかたわらにはフクジュソウの花が初々しく咲きだしました。川のゴミとフクジュソウの花、この好対照の、美醜の景色、に出会えるのも田舎暮らしなのです。

春、いくつもの隣り合う美醜と同居しながら、開社準備を進めています。

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