古くからの住人

 外のゴミがあらかた片付いて喜んでいるのは、新しい家主だけではありません。みなさんに紹介したい「古くからの住人」がいます。背が高く、足や手がごつい住人……。
 樹齢300年以上のイタヤ楓と桂の大木です。

 芭蕉がいた頃から、この土地を見守ってきました。大木の根元にうずたかくあった残土が取り払われ、すっかり幹周りの風通しが良くなりました。川風に葉を揺らし、さわさわと歌っているようです。
 今まで、瘤のある分厚い木肌にさわろうとしてもさわれなかったのが、この手で直に触れることができます。ごつくても温かい感触に木の体温を感じ、ほっとします。そう、この地球上で命を持つ同じ生き物、それも大先輩です。大きな風格で家主を包んでくれるので、ほんとうにうれしくなります。 「こんにちは、また来ました。お元気ですか。」などと話しかけています。

 イタヤとは板屋、葉が生い茂っていて、まるで板で屋根を葺いたように少しくらいの雨では雨が漏らないそうです。この幹からはサトウ楓と同じく甘い樹液が出ます。
 桂はハート型の葉を持ち、秋の黄葉はいい香り。中国では桂はモクセイの木ですが、中国の伝説では、桂は月に生えていて、その根元から水がこんこんと湧き出ているといいます。日本の桂は日本特産種で、一属二種。ということは、古くからの木の性質をそのまま残して現代まで生き延びている木です。

 日本でも、桂は水に関係の深い木です。 ここ北東北では、桂の大木の根元から、清水が湧き出ている場所が多くあります。塩素消毒なしの天然水が飲める!田舎暮らしの特権です。

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