囲炉裏の復権

 改修資金がかさむので、そのまま使うところと、改修して快適にするところとを分けた方が良い、という設計士のOさんの助言がありました。囲炉裏は、そのまま使おうと思っていました。

 囲炉裏のある生活、あこがれでした。田舎暮らしといえば、大勢の家族が囲炉裏を囲んで団欒している、自在鉤の下につるされた鍋から湯気が上がっている、薪の炎に照らされた林檎の頬を持つ子ども達の笑顔がこぼれている、そんな光景が見えてきます。経験したことは無いのですが、古き良き時代の日本の田舎の原風景が浮かんできます。

 でも、我が家の囲炉裏はというと、灰の中は煙草の吸い殻がいっぱい。おまけにビニール袋が埋め込まれていました。またまたおまけに、ネズミの穴でしょうか、もぐらでしょうか、あちこちにトンネルが掘ってあります。もこもこっとした土の山がないのでやはりねずみでしょうか。現実は思考を凌駕している、とは誰が言った言葉だったか忘れましたが、あこがれの囲炉裏は遠くに行ってしまいました。

そうなんです。長い間、囲炉裏は無用の長物だったのでしょう、煙草の火消しぐらいにしか使われていなかったのです。もったいないことです。
 なんとかきれいにしよう、そして囲炉裏を使えるようにしよう、毎日、囲炉裏の炎に見つめられて生活をする、いいじゃないですか。

 もう一度囲炉裏に活躍してもらう、でもどうしたものか。囲炉裏の復権を願って、まず、煙草の吸い殻とビニール袋、これがぼろぼろの破片となってやっかいなのですが、丁寧に拾って分けて捨てました。ゴミを取った灰は、栗の木の下に撒きました。子ども達が協力して灰を運んでくれました。
 その後、ネズミ対策です。穴の大きさからして、ハタネズミやアカネズミ、ヒメネズミなどの野ねずみなのか、それとも家ネズミのハツカネズミなのか、ねずみさん、人の領分まで入らないで、棲み分けしてほしいのです。そんなことを思いながら、ねずみの進入路をふさぐべく砂利石を敷きました。その上に何で覆うか、コンクリはあまり使いたくないので目下思案中です。

 ねずみ取りで無駄な殺生はしたくないので、ただただねずみさんが、人の領分を侵して出てこないように祈るだけです。お互いの幸せのために。合掌。

      PDR_0967.JPG
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