霜月27日

 今日は11月27日です。月日が逆流したのではありません。旧暦でのお話しです。旧暦ではまだ11月、霜月なのです。
 ところで今日は新暦ではお正月、1月1日です。お正月に年賀状はつきものですが、これから厳しい冬がやってくるのに、新春のお喜びだとか、迎春とか、頌春とか、家主には書いていてどうもいただけません。空々しいのです。

 心身ともに春を喜べる季節になって初めて新春、新年と言えるのではないでしょうか。体だってこれからぐっと冬に向けての備えをし、身構えるところは身構えもし、冬と仲良くするところは仲良くしようとしているのに、春だなんて言ったら面食らってしまうでしょう。言葉と体や心が乖離していて、年賀状は苦手です。もともとめんどくさがりやなのになおさら気が進まないのです。新年のあいさつも然りです。

 でも、一応世間並みに働いていますので、賀状も書き、年始のあいさつもしますが、旧暦という自然の運行に沿った暦を知ってからは、どうも正月がしっくりと来ないのです。これはもう真理を知った哲学者のように、家主には後戻りができそうに有りません。

 それでも、この休みにじっくり体を休め、睡眠をたっぷり取り、たとえ数日でも漫然と暮らせるのは幸せなことです。
小津安二郎の「東京物語」や「麦秋」を見たり、郷土の太宰治や宮沢賢治、芥川賞作家、三浦哲郎の小説を読んだりしてのんびりすごしています。そうこうしているうちに、仕事のために一日があるような生活の堆積の中で、溜まった体と心の疲れの層が徐々に崩れかけてゆく、そんな冬休みは貴重です。

 いつか勤めを辞めたなら、ここは思い切って旧暦で生活をしてみたいなと今から密かに心に決めているところですが、どうでしょうか。
 
 今はまだ田舎暮らしの序幕です。本格的な田舎暮らしは太陽だけでなく月の運行も加えて、一日を送り、一月を過ごし、そして一年を終えての新しい再生を願いつつ、始動したいと思っています。

 それまでは、新暦で新年明けましておめでとうございます。

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